EAZET(イーゼット)工法は、千代田工営が1994年※に開発・発売した回転貫入鋼管杭工法です。開発から30年以上を経た現在もロングセラーを続ける主力製品であり、国土交通大臣認定を取得済み。杭径や羽根の形状を多様に組み合わせることで、地盤特性や建物荷重に合わせた経済的な設計が可能な工法です。
本ページでは、密集地や既存建物に隣接する現場での施工を検討している設計士・ゼネコン担当者の方に向けて、EAZET工法の技術的特徴・メリット・採用時の留意点を整理しました。
EAZET工法の最大の特徴は、回転貫入によって地盤を乱さず支持力を確保する点にあります。鋼管先端に設置されたスパイラル状の羽根が地盤を締め固めながら貫入するため、一般的な掘削工法で生じる排土が発生しません。砂質・礫質地盤のみならず、粘性土層への対応も大臣認定を取得しており、幅広い地盤への適応力を備えています。
長年の採用実績に裏打ちされた、本工法の主な強みを2つ解説します。
杭径に合わせて先端羽根を複数径から選択できるため、地盤状況や建物構造に合った仕様を設計可能です。また、一般財団法人による引抜き方向の許容支持力認定も取得。建物にかかる地震時の浮き上がりなど、厳しい引抜き性能が求められる場合においても、信頼性の高い設計を実現できます。
埋設時に排土が発生しないため、産業廃棄物となる残土処分費用が不要となり、現場周辺を汚染しないクリーンな作業が可能です。さらに、建物解体時には杭を逆回転させることで容易に引き抜けるため、土地の資産価値を損なうことなく、地盤の原状復帰が容易な工法として注目されています。
環境性に優れ高い実績を誇る本工法ですが、計画段階では以下の点に留意してください。
これらの調査を徹底することで施工トラブルを未然に防ぎ、工期遅延リスクを抑えた建設計画が可能となります。
費用構成の大きな割合を占めるのは、鋼管材料費と施工費(重機賃料・人件費)です。残土処理コストが不要である点は他の掘削工法に対する明確な優位性ですが、杭の本数や支持層の深度(杭長)によって最終価格は大きく変動します。
正確な見積もりのためには、地盤調査報告書と設計図面を用いた早期の精緻なコスト算出が必要です。納期についても、地盤調査から認定に基づく設計、実際の施工までには一定のリードタイムを要します。特に鋼管の調達には余裕を持ったスケジュールを組むことが、プロジェクトを円滑に進める要です。
茨城県水戸市にて実施された「西部いきいき交流センター建設工事」において、EAZETが採用されました。公共施設という高い信頼性が求められるプロジェクトにおいて、本工法の支持性能と施工品質が評価され、建物の安全な基礎を支えています。
「小美玉市小川文化センター耐震改修工事」においてもEAZET工法が採用されています。耐震改修という重要な工事において、既存の建物や周辺環境に配慮しつつ、強固な支持力を確保。多様な現場環境下での実績は、本工法の汎用性と信頼性の高さを裏付けています。
1970年創業※の千代田工営は、回転貫入鋼管杭工法を扱う企業として、半世紀にわたり基礎杭の技術研鑽を続けてきました。EAZETのほか、様々な工法を開発・提供しており、設計士・ゼネコンと連携した工法提案が可能です。詳細は千代田工営の紹介ページをご覧ください。
| 運営会社名 | 千代田工営株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 埼玉県さいたま市大宮区上小町940 |
| 公式サイト | https://www.chiyodakouei.com/ |
| 電話番号 | 048-642-4191 |
EAZET工法は、1994年の開発以来、多くの現場で採用され続けてきた信頼性の高い回転貫入工法です。無排土による環境への優しさ、認定に基づいた確かな支持力、そして将来的な解体性までを考慮した持続可能な基礎技術として、現代の建設ニーズに合致しています。
小規模な現場から公共プロジェクトまで柔軟に対応できるため、設計者にとっても安心感の高い選択肢といえるでしょう。採用にあたっては、地盤調査の結果を踏まえた設計を相談し、工期短縮とコスト低減を両立させた経済的な施工計画の策定が可能です。
鋼管杭工法の支持力や施工性は、工法によって大きく異なります。杭径や無排土対応の有無が、密集地での近隣沈下リスクや残土処分費の差に直結するため、工法選びが現場コストの分岐点です。
当メディアでは、建物規模・現場条件が異なる3工法を比較。自社の案件条件に合う工法を見つける参考にしてください。
鋼管杭と一口に言っても、戸建ての狭小地と超高荷重の大型施設とでは、求められる性能が全く異なります。ここでは、「建物の規模」と「立地条件」にフォーカスし、現場の課題をクリアするおすすめの工法を3つ厳選しました。
| 杭径レンジ | φ101.1〜457.2mm |
|---|---|
| 最大支持力 | 2,521kN(φ457.2mm) |
最大HU590の高強度鋼を採用※、鋳物一体成型の翼で溶接部の破断リスクを防ぎ大翼化。大翼の高い支持力で杭径を最大2サイズダウンでき、重機制約に縛られず密集地でも施工が可能です。
大きな翼の高い引抜き抵抗力により、浅い支持層でも十分な支持力を確保。深くまで杭を打ち込む必要がなく、回転貫入による無排土施工のため、近隣地盤への影響を抑えられます。
| 杭径レンジ | φ89.1〜165.2mm |
|---|---|
| 最大支持力 | 約217kN(φ165.2mm) |
φ89.1mmからの細径5サイズ展開で、戸建て等の地盤条件に合った杭を選定可能。先端支持・摩擦支持を地盤により使い分けることで、必要以上に杭を深くせず、杭長・コストを抑えます。
セメント不使用の回転貫入方式のため、将来の解体時には逆回転で撤去でき、産廃のない更地に復元可能。
施工も2t建柱車1台で完結し、狭い前面道路の現場にも対応します。
| 杭径レンジ | φ600〜1,200mm |
|---|---|
| 最大支持力 | 17,900kN(φ1,200mm) |
掘削液を使わない中掘り工法で、φ1,400mmの大口径鋼管杭を深度70mまで施工可能。支持層が深く他工法では届かない敷地でも、大型施設の重荷重を支える基礎を構築できます。
杭先端に最大φ2,400mmの根固め球根を築造し、先端支持力17,900kNを確保。高靭性鋼管が大地震時にも粘り強く変形するため、審査の厳しい重要施設のBCP要件にも対応します。