本記事では、地質調査からグラウチング技術(セメントミルクなどの注入技術)、アンカー技術まで幅広い基礎工事分野で実績を持つ日本基礎技術について、企業としての特徴や同社が提供する鋼管杭工法、それ以外の地盤改良工法までをまとめて紹介します。
グラウチング工事や地質調査、土質調査及び試験、測量及び設計、さく井工事、土木工事の施工及び管理など、基礎工事に関わる幅広い事業を手がける建設会社です。建設コンサルタント登録(農業土木部門・土質及び基礎部門・地質部門)や地質調査業登録、土壌汚染対策法に基づく指定調査機関としての認定も受けており、調査・設計から施工、維持管理まで一貫して対応できる体制を整えています。
特定建設業(国土交通大臣許可)として土木工事業、とび・土工工事業、水道施設工事業など複数の業種を保有しており、構造物基礎の分野に特化した専門技術者集団として、公共インフラから民間施設まで多様な現場に対応しているのが特徴です。
東証スタンダード市場に上場している企業であり、経営情報や業績データ、有価証券報告書などを公式HP上で公開しています。本社を大阪市北区に、東京本社を渋谷区に構え、全国の現場に対応できる事業所体制を持っているのが特徴です。
岩盤グラウチング技術の分野では、小口径自動削孔機「ABM-10」を保有。ボーリングロッドの自動接続・脱着や地質に応じた制御削孔、抜管作業までを自動で行い、削孔長や削孔速度などのデータも自動で記録管理できます。
地盤改良技術の分野でも、貫入・引抜やスラリー(泥水状の液体)吐出量を自動制御する「Eight工法」(建設技術審査証明取得・ICT建設機械認定)を保有するなど、ICTを活用した施工管理技術の開発にも注力。省人化・安全性の向上と品質の安定化を両立させる取り組みを継続しています。
いずれも「小型機械を使用するため、狭隘地や低空頭(高さ制限がある現場)に強い」点がメリットです。ここでは、それぞれの工法ならではの強みや特徴を解説します。
マイクロパイルの技術と高圧噴射攪拌による地盤改良技術を組み合わせた鋼管杭工法。節突起を設けた小口径の高張力鋼管と、高圧噴射による改良体とを一体化させることで、大きな支持力に加えて比較的大きな水平抵抗も期待できるのが特徴です。
カプラー(管の継手部品)を用いた機械式ねじ継手を採用しており、現場溶接杭に比べて施工性と杭耐力の両面を持ち合わせています。都市部の軟弱地盤において、横方向の揺れに対する抵抗力が求められる既設構造物の補強・補修工事に適している工法です。
グラウンドアンカー工法で用いられる削孔技術やグラウト(注入材)の加圧注入技術を取り入れた工法です。杭体のケーシングには高強度鋼管を、補強材には太径のねじ節異形棒鋼を使用することで、小口径でありながら高い耐力を発揮します。
騒音・振動が少ない点と硬い地盤にも強い点が特徴です。砂礫地盤、玉石地盤、岩盤の削孔にも対応できるため、地質が複雑で制約の厳しい基礎補強工事(既設橋脚基礎の耐震補強など)で広く活用されています。
既設構造物の基礎を耐震補強するための小口径鋼管杭工法です。ボーリングマシンによる二重管削孔で鋼管を建て込んだ後にグラウトを充填し、地盤中に鋼管を定着させます。
強みは経済性の高さです。汎用的な鋼管と継手を使用するため部材コストを抑えられます。橋脚基礎等の耐震補強で増し杭を行う場合、既往の耐震補強技術と比べてコストを10~20%程度低減できるとしており、予算を抑えつつ補強を行いたい場合に向いているでしょう。
日本基礎技術の鋼管杭工法は、どれも狭隘地(狭い現場)や低空頭(高さ制限がある現場)で施工できるという優れた機動性を持っています。現場の状況や目的に合わせて、以下のように工法を選定することが重要です。
鋼管杭工法の支持力や施工性は、工法によって大きく異なります。杭径や無排土対応の有無が、密集地での近隣沈下リスクや残土処分費の差に直結するため、工法選びが現場コストの分岐点です。
当メディアでは、建物規模・現場条件が異なる3工法を比較。自社の案件条件に合う工法を見つける参考にしてください。
鋼管杭工法以外にも軟弱地盤に対応できるさまざまな地盤改良工法を取り扱っている会社です。ここでは代表的な2つの工法を紹介します。
強力なエネルギーを持つ超高圧固化材スラリー噴流を水平2方向に噴射することで、超大型の改良体を高速で造成できるジェットグラウト工法。従来の二重管工法が水平1方向噴射であるのに対し、水平2方向噴射を行う点が大きな違いです。
軟弱地盤の地盤改良や液状化防止のほか、大規模人工地盤の造成、地下空間の拡大への対応、都市再開発における既存構造物の地盤強化など、幅広い分野に対応できます。
日本基礎技術では、他にも以下の工法を取り扱っています。
| 運営会社名 | 日本基礎技術株式会社(JAPAN FOUNDATION ENGINEERING CO., LTD.) |
|---|---|
| 所在地 | 大阪市北区天満1-9-14(本社) 東京都渋谷区幡ヶ谷1-1-12(東京本社) |
| 電話番号 | 06-6351-5621(本社)/03-5365-2500(東京本社) |
| 公式HP | https://www.jafec.co.jp/ |
鋼管杭と一口に言っても、戸建ての狭小地と超高荷重の大型施設とでは、求められる性能が全く異なります。ここでは、「建物の規模」と「立地条件」にフォーカスし、現場の課題をクリアするおすすめの工法を3つ厳選しました。
| 杭径レンジ | φ101.1〜457.2mm |
|---|---|
| 最大支持力 | 2,521kN(φ457.2mm) |
最大HU590の高強度鋼を採用※、鋳物一体成型の翼で溶接部の破断リスクを防ぎ大翼化。大翼の高い支持力で杭径を最大2サイズダウンでき、重機制約に縛られず密集地でも施工が可能です。
大きな翼の高い引抜き抵抗力により、浅い支持層でも十分な支持力を確保。深くまで杭を打ち込む必要がなく、回転貫入による無排土施工のため、近隣地盤への影響を抑えられます。
| 杭径レンジ | φ89.1〜165.2mm |
|---|---|
| 最大支持力 | 約217kN(φ165.2mm) |
φ89.1mmからの細径5サイズ展開で、戸建て等の地盤条件に合った杭を選定可能。先端支持・摩擦支持を地盤により使い分けることで、必要以上に杭を深くせず、杭長・コストを抑えます。
セメント不使用の回転貫入方式のため、将来の解体時には逆回転で撤去でき、産廃のない更地に復元可能。
施工も2t建柱車1台で完結し、狭い前面道路の現場にも対応します。
| 杭径レンジ | φ600〜1,200mm |
|---|---|
| 最大支持力 | 17,900kN(φ1,200mm) |
掘削液を使わない中掘り工法で、φ1,400mmの大口径鋼管杭を深度70mまで施工可能。支持層が深く他工法では届かない敷地でも、大型施設の重荷重を支える基礎を構築できます。
杭先端に最大φ2,400mmの根固め球根を築造し、先端支持力17,900kNを確保。高靭性鋼管が大地震時にも粘り強く変形するため、審査の厳しい重要施設のBCP要件にも対応します。